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日常のこと

捨てられなかった靴

たいして高価な靴ではないのです。ずいぶん前に、ふらっと立ち寄った靴屋さんで手に入れた「チャッカブーツ」です。 でも、幅広で甲の高い私の足にとっても馴染み、“おでこ”みたいな形もカワユクもあり、とっても気に入っていました。 しかし、ちょっと浮気をして履かない時期があったため、ソールが劣化してしまい、とても履くことが出来ない代物になってしまいました。

 

 

浮気を反省しつつ、同じ様なデザインの靴がないかどうか、出掛けた折には、靴屋さんに立ち寄っては探していました。 そんな靴探しも、いつしか忘れてしまい、下駄箱の奥の方に、その靴は忘れ去られていました。 下駄箱の陰から、チラッと見かけては、処分しようと思ったものの、そのまま放置されていました。

 

 

仕事で履いている靴が、くたびれてきたので、新しい靴を色々試しては見たものの、これと言ってしっくりくるものがありませんでした。 そんな時、下駄箱の片隅の“おでこ靴”に目がとまり「そうだ! この靴を直して履こう!」と思ったのです。

 

 

今まで、ろくに手入れもせず、放置されていたので、皮はガチガチに硬くなってしまっていました。 でも、ソール以外は、形もそのまま、履き心地も以前と変わりませんでした。 早速、靴を専門に直しているお店をいくつかピックアップし、直接電話して状況を説明しました。 大手チェーンの修理店もありましたが、型通りの修理しかしてくれないのではないかと思い、個人でこだわっている修理屋さんに依頼しました。

 

 

もともとのソールの形やデザインに忠実に再現してリペヤしてもらいました。 出来上がりは、想像以上で、以前と変わらない履き心地です。 修理してもらってからというもの、靴ヒモを新しいものに取替え、汚れをクリーニングして、栄養クリームを塗ってあげて、靴皮も大分柔らかくなりました。

 

 

靴を買ったときと同じくらい修理代はかかりましたが思い切って直して良かったです。戻ってきた靴は新品にはない、革靴のエイジングが出ています。 ますます、手入れが楽しみになっています。 お気に入りの一品を手を掛けながら、使い続けると愛着も増します。 きっと2度と巡り会うことのない靴だから、ケアしながら、長く履き続けようと思います。

(佐藤 正志)

 

 

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