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日常のこと

時を経て輝きを失わないもの

小学校時代に、とても仲の良かった友人と再会しました。
一人だけ参加できませんでしたが、急な声かけにも関わらず、4人の友達が集まりました。
少年時代を過ごした場所に住んでいる人はなく、それぞれ家庭を築いて、各方面で活躍しています。
最後に会ったのが13年前で、その時はひとりも子供がいませんでしたが、今やみんな良いお父さんになっていました。

 

 

当時は自分達で野球チームを作ったり、再放送していた「コンバット」を見て、戦争ごっこをしたり、爆竹で遊んだり、毎日楽しく、しかも濃密な時間を共有していました。
それでも、久しぶりの再会は、容姿がまるで変わってしまって分からなかったらどうしようと、つまらない不安を抱いていました。
しかし、待ち合わせ場所で会った時、不安はどこかに行きました。みんな、相応に年は取ったものの、あの頃のままでした。すぐに、当時呼び合っていた「あだ名」で呼び合います。

 

 

それぞれ、一言で言いあらわせないことがあったでしょうが、あの時の輝いていた時のままでした。
こんどはもっとたくさんの友人を集めて同窓会をやろうということになり、その日は別れました。

 

 

久しぶりの再会は、時を越えて繋がっているものがあることを実感せずにはいられません。13年という時間はどこかに行ってしまいました。

colum18私たちの住まいづくりでも、「新建材」という材料が無垢材の代わりに広まっています。

「新建材」はその名のとおり、木材の欠点とされる、割れやそりが少なく、木の代用材として使われています。
見栄えは10年くらいの間は新築当時とあまり変わりません。
でもその後急速に劣化してしまいます。
朽ちないものはありません。始まりがあれば終わりは必ずやってきます。
永遠なものなんてこの世の中には存在していません。

 

 

少しずつ、時と共に変化して、汚くなるのではなく、美しく深みを増してゆく方が素敵だと思いませんか。
人でも、永遠の美貌を求めるより、年を経て、笑顔のしわのひとつひとつに美しさを感じることの方が自然です。

 

 

時を経て今、木に例えると日焼けがすすみ、味わい深い色が広がり、使いこまれた良さをかもし出す存在になってきたのでしょう。
時と共に輝きを失わない価値が深まる住まいをつくってゆきたいです。

 

 

(佐藤 正志)