お客様の声

町田の家 ~町田市

住まいに関する希望をお客様に自由に記入して頂く
“設計カード”。
今読み返すとその中には、『庭』という文字がなんと5回も!

その庭と一緒に並んでいるキーワードは、
『庭と食事』 『庭で季節を感じて』 自ら都会派ではない、とおっしゃるご夫婦が候補にあげたのは、造成前の山のような、崖のような状態からでした。
奥様は、素敵にできあがったこの住まいを最初からイメージできていたのでしょうか。 そして、どうやってカタチにしていったのでしょう・・・。

interview3_1

 

1.住まいづくりのきっかけ

住宅費用を、家賃として支払うよりも同じ支払うのであれば、後に自分たちのものになる住宅ローンとして支払うのも一考。
自分のものとしての責任は生れるが、家も庭も自分たちの好みや個性を活かせる。
住まいの中で、育ち盛りの子供たちがバタバタとさわいでも、多少キズをつけても、元気に遊べる環境が好ましい。だから、マンションも建売住宅も視野には入れなかった

interview3_2

住んでいた一戸建ての賃貸住宅は、冬は暖房をかけている部屋しか暖かくない。トイレや廊下、そして洗面所はとても寒い。
これは、決して文句ではなく、夫婦が気づき、問題意識を持って改善したいトコロでした。

 

 

住宅の性能を数値化して、比較しやすくなったのかも知れませんが、忘れてはならないのが、「設計の仕方」でその住み心地は随分と変わるということです。

 

 

今では、ご家族みんなが気持ちよく過ごし、充実した日々を過ごしている。と聞くと私たちもうれしく思います。

 

 

2.当社問い合わせのきっかけとその後・・・

interview3_3

住まいづくりの検討をするにあたり、ご夫婦には「知名度のある大企業は安心感こそありますが、困ったときに親身になって対応してくれる地域に密着した地元の工務店か、地元に精通した設計事務所の良さはないものだろうか」との考え方があったようです。

 

話は、少し前後することになりますが、
私たちが催したOB見学会に参加されたのは、ご都合によりご主人だけでした。
既に入居されている2軒のお住まいを見ていただきました。

 

自宅へ帰られたご主人は、そこで感じられた雰囲気を奥様へ一生懸命に説明をされたとのこと。
「普段から身のまわりのものを長く使い、新しいものには辛口のご主人がとても気に入った様子」。であったそうです。

interview3_4

そしてその時の奥様は、実はほっとしていたとか。

そもそも私たちへの問合せのきっかけは、とても信用されているお友達からのご紹介でした。

ご夫婦の方向性が合うことはとても大切な事ですね。

ところでそのOB見学会で、ご主人はどんな感想を持たれたのでしょう。

 

「初めて来た家だけど何か落ち着き、くつろげる」
「階段のつくりやスイッチの位置など小さな部分ひとつひとつをみても、とてもやさしい印象を受けた」
「あたりまえのこととして取り入れていることでも必ず設計者の意図がある。という説明は、とてもうなずける話だった」ということでした。

 

そしてもう1項目、木の香りの話は、「実際に住み始めて」の項目で触れていきましょう。

 

3.設計打ち合わせの中で

私たち木匠工務店は、
『自分たちで設計したものを、責任持って自分たちでつくり上げる。
あるいは、責任を持って施工できる裏づけがあるからこそ、初めてその設計ができる。
そして、維持管理に対しても同じ自分たちで対応ができる』
これが、私たち地域に密着した地元の工務店がお客様から期待されている事。と思っております。

interview3_5

奥様は、山のような斜面の土地を「買っちゃった土地」と表現されましたが、実はご夫婦と私たちの考え方に共通部分もありました。
山のような斜面の上に家を建てれば、まぎれもなく眺望が良い。ということは、(夏の)風の通りも期待ができる。そして、冬は、日の出から日の入りまでを太陽と共に過ごせる。夏は、建物のカタチでもって強い陽射しを遮る工夫を考える。

 

ご家族の大切なキーワード『庭のありようとそのつながり』の具体化こそが、私たちの存在意義が問われたところでした。
土地の造成でできあがった斜面をも平面的に取り込んだ技術は、設計と施工を受け持つ私たちのノウハウが活かされ、住まいづくりを私たちに託されたポイントでもありました。
四季を感じる庭をいつでも楽しみたい、という考え方は、同じく私たちの目指すところでもあるので、より知恵を絞れたところかもしれません・・・。

 

「毎回の打合せがとても楽しみでした。設計士とフィーリングがとても合った」と言っていただきました。設計の菊池に伝えましたところ、いつになくはにかんでもおりました。 住まいに対する方向性が同じだからこそ、お互いにムリなく打合せが進められたからだと思います。ありがとうございます。

 

 

4.実際に住み始めて

さて、
「当社問合せのきっかけ・・・」の続き、OB見学会後に参加されたご主人の感想です。

「入った瞬間、ふんわりとした木の香りがしました。けれど3年も住まわれているご家族は、もう感じないとおしゃっていました」
これは、香りを感じなくなっているという、残念な話でなく、あたりまえのごく自然なものになったということです。このふんわりとした木の香りは、大人だけでなく子供たちの心と体の見えない部分にまで影響するのではないか。と感じられたのですね。

それには、こんな経験があったからだそうです。

interview3_6
その現象は、たまたま何かの条件が揃った時なのかもしれませんが、直前に住まわれていた賃貸住宅で、新築から入居して数年が過ぎても、接着剤のような鼻にツンとした臭いを感じることがあった。

 

賃貸住宅といった諸条件の中で、工業化された建材を多く使っていた為かもしれません。
しかし、私たちの選ぶ素材は、つくる人にとっても、住む人にとっても、やさしい住まいになるよう、こだわっています。
当初の建築費用はかかるかもしれませんが、身体にかける余計な負担がないだけでなく、愛着と共に永く使って頂けます。どうぞ安心してお住まい下さい。

 

 

ところで、住み始めて半年が経ちましたが、その木の香りは、今も感じていますか?
「完成した時はすごく感じましたが、残念(?)ながら、もう慣れてしまいました」とのことでした。
でも、香りがなくなったわけではなく、今でも友人が来ると誰もが「木の香りがきもちいいね」と異口同音、あるようです。

 

「木の家は、なぜ良いといわれるのでしょう」 木を科学する本があったり、くつろぎの法則を数値で示した文献もあります。 でも、その人が感じられるものなら、わざわざ数値にしなくても良いのかもしれません。気持ちよさは五感で感じるものです。仮に感じられない人に数値で示して、理屈で感じてもらうようなものでもないですしね。

 

同じ家の中でも1階と2階の特性を考えて選んだ、杉とメープルを使ったムクの床で、子供たちは、腹ばいになってゴロゴロ、気持ちが良いのか冬でも裸足で過ごしているとのことでした。

 

5.最後に

斜めのよう壁にせり出すようにつくられた外のベンチと、食堂の中間に『庭』があります。
隣との高低差を活かして、誰からも干渉されないプライベートな庭になっていますね。

 

ところで、
食堂にいたお子様たちに聞いてみました。
「ここは、あさひがあたってきもちいいでしょ?」
「うん そうだよ! お日さまがのぼってくるところもみたよ。まだ、いっかいだけだけどね・・・」と元気に答えてくれました。

 

その後は、『庭』に向っておやつのプリンを食べ始めたので、背中を向けられてしまいました・・・。
お父さんとお母さんがつくり込んだ『庭』を、自慢するかのように 大好きな住まい になっている様子が伺えました。

この住まいで、素敵な思い出 をたくさんたくさん 重ねていってくださいね。

 

(2012年春 佐藤 正志 安間 稔)