さしがねの知恵

さしがねとは、大工さんの三種の神器ともいえる道具のひとつで、
L字型のシンプルなこの定規が、
実は知恵の塊なのです。

このコラム集は、そんな大工さんのさしがねにちなんで、
昔ながらの知恵や工夫を、今の暮らしに生かそうというコーナーです。

四季を感じることのできる暮らしや、
多少手間はかかるけれど
豊かな暮らしとは何か?というコラムや、
それ以外にもちょっとした住まいのお手入れ方法などもご紹介していきます。

第4話 ~ 涼しい布今昔

世の中省エネの意識が高まり、エアコンをかけなくても涼しく過ごすアイディアのひとつとして、最近、着るものや寝具に涼しく感じる布というのが普及してきました。
昔の生活を見直すというのではなく、新しい技術を取り入れた省エネ対策です。

 

私も夏になると接触冷感の掛布団を使っていますが、ひんやりして肌触りがとても気持ちいのです。
これは、熱伝導のいい化学繊維を使っているため、体温が掛布団に奪われ、涼しくなるというメカニズムのようです。
木材と金属の表面温度は同じなのに、金属が冷たく感じることと同じですね!

 

 

もうひとつの快適繊維は、汗の吸水性がよく放出性もよい下着や布団。
そんな性能を高めた化学繊維もあるようですね。
汗がすばやく引いて、さらっとすることが快適さにつながります。

 

昔からある天然素材でも、その両方を兼ね備えるすばらしい布があります。
熱伝導率がとても高く、吸水性、放出性ともにすぐれる繊維、それは、麻です。
私も麻と綿の混紡のパンツが夏はかかせません。
足に張り付かず、とても快適です。

 

涼しい布今昔のお話でした。
暑い夏を少しでも快適に過ごしたいものですね!

(関 文子