スタッフブログ
単板張り
お寺の庫裡のリノベーション現場です。
2間続きだった和室を1室にして、2畳分拡げる予定です。
既存部分の京壁や敷目天井はなるべく壊さずにそのまま使いたいと考えています。
その際に困るのは、化粧の柱です。
壁があったところの柱には、貫という下地木材が刺さっていたり、背割れや左官のチリじゃくりなんかもあり、つるっとそのままでは使えません。
それらを大工さんが埋め木ととの粉を使ってきれいに埋めた状態です。
表面が平らになったところで、単板と言って、柱材と同じヒノキ材を薄くスライスしたものを表面にきれいに貼り付けます。
数年前には「単板やさん」という職種の方がいて、現場で張ってもらったことがありますが、今は廃業してしまったとのことで、ベテラン大工の金田さんに張ってもらいました。
張りあがったところです。
もともとの柱と単板を張った柱です。
今はまだ色の差がありますが、何年かするとすぐに焼けて追いついて行きます。
和室の化粧柱をもし交換するとなると、隣接する京壁は当然やり直し、天井廻り縁や鴨居、敷目天井にも影響が出て来ます。
どちらがよりよい結果となるか?を検討します。
2畳分の敷目天井には使わなくなった和室の天井材を移植して納めます。
無駄なコストをかけないように考えることはもちろんのことですが、
年月が経っていい味の出たものを捨てるに忍びなく、うまく活かせないものかといつも考えています。
費用対効果ということもありますので、バランスを取りながら検討していきます。
そこが工務店におけるリフォーム・リノベーションの面白く奥深いところだなあと私は思っています。
(bun)