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現場で働く人はどんな職業?
こんにちは。木匠工務店の佐藤です。久しぶりにコラムを書いてみました。最後までお付き合いください。
世の中には、名前は良く知っているけど、なんとなくイメージだけあって、詳しい中身までは理解していない事ってありますよね。
特に家を建てる業界の人は、少しとっつきにくくて、話ししずらく、怖いイメージがあったりしますよね。
住まいはたくさんの職人(専門業者)さんの力が結集して完成します。
そんな住まいをつくる上で欠かせない職人さんに焦点をあてて、職業紹介をしてみようと思います。
まず初めに建築において最もポピュラーであるはずの大工さんのことも、なんとなく知っているようで、
知らないこともあるのではと思い、今回のテーマにしてみました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、実はかくいう私自身も大工です。
工務店(家を建てる会社)は様々あれど、意外に大工さんが代表を務めている会社は少ないようです。
そんな訳で、私自身の体験や感想を踏まえてお話していきたいと思います。
大工さん・・・家を建てる人...それぐらいは知っているけど、たくさんいる職人さんの中で、特に何を担当しているのでしょうか。
ひとくくりに大工さんといっても、今や建築の世界でも分業化が進み、様々大工さんが存在します。
今回は、なかでも木匠工務店のように在来工法(昔からある日本の建築様式)で無垢の素材を扱う大工さんを例にとってみました。
木造の建築において、最も多岐に現場に携わり、長く関わるのが大工さんになります。
家を建てるには、大きく基礎工事、木工事、仕上工事に分けられますが、どの工程にも関係するのが大工さんと言えます。
まずは、何もなかった土地に家が出来上がるまでの一連の流れを最後まで一気に説明していきます。
その後で、各工程についての話を細かくしていきたいと思います。
基礎工事は、家の礎となる大切な部分ですが、その基礎の位置決めや水平墨を出す為の水杭を打つのは、大工の仕事です。
大工は設計図に従い土台や柱、梁といった構造材1本1本に木と木が組み合わさる墨(印)を付け、
それを正確に刻む(加工)ところから始まります。
天然木である構造材はそれぞれに癖がありますが、木の特長を読み取りながら墨付け刻みをしていきます。
建て方(骨組みを組み作業)前には、入念に下準備を行い、滞りなく作業できるように準備します。
いよいよ、基礎が完成し、建て方を迎えることが出来ました。基礎天端の水平精度は±1㎜の範囲です。
出来あがった基礎に柱を支える土台を据えたら、1階の柱、2階の床梁、2階の柱、小屋組、屋根まで一気に1日で組み立てます。
朝から始めた作業は、夕方までには、屋根下地まで作っていきます。
何もなかった基礎から骨組みが1日で出来る様は、平面だったものが立体になる訳で、とてもドラマチックと言えます。
出来上がった骨組みは、この後、外壁の下地や窓の取付、室内の下地など、建物の形状が大きく変化を遂げることはありませんが、
着々と粛々進んでいきます。下地取付のあと、仕上げ床貼りや窓額縁、室内の建具枠の取付など、仕上げ工事へと進んでいきます。
無垢材の施工にあたっては、髪の毛の太さも入らないような精度が求められます。
設備工事の下地や電気配線、給排水管の施工、ガス設備の施工が終わると、断熱材を納めていきます。
断熱材の施工は、古新聞のセルロースファイバーは、専門工事店が行いますが、
高性能グラスウールの施工は住宅省エネ技術講習会を修了した当社の社員大工にて施工していきます。
断熱材の施工が終わると、内装下地である石膏ボードを貼っていきます。下地材ではありますが、
丁寧な施工を心掛けないと内装塗装仕上げや左官仕上げに影響が出てしまいます。
この他、造作家具の施工や仕上がった所を傷がつかないように保護することも大工の作業になります。
また、ウッドデッキや木製バルコニー、木製のフェンスの施工も大工が行います。
木にまつわる作業の全般や各専門業者さんの下地作業など、多岐に渡るのが大工であり、
全般を統括して現場を進めるのが、大工の責任者である、棟梁の仕事です。
(佐藤正志)