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日常のこと

やっぱり物つくりは楽しい

親が大工でもなかったのですが、我が家には小さい頃から、たくさんの道具がありました。
特に一緒に同居していた祖父は道具が好きで、同じ用途に使う道具が何種類もありました。
もう亡くなってしまって聞くことが出来ませんが、道具を集めるのが好きだったのでしょう。
祖父はただ集めるだけでなく、日曜大工を色々とする人でした。
昔の人は何でも器用にするように、壁から屋根からある物置小屋を作ったり、ブロックを積んだり、コンクリートを練ることもありました。家業が職人というわけではありませんでしたが、大工になってみようと思ったのは、そんな光景を見ていたからかもしれません。

 

 

やがて、興味を覚えて、見よう見まねで鋸や金槌を使って本箱を作りました。
プラモデルや、半田ごてを使ってトランジスタラジオのキットを組み立てたりもしましたが、何もないところから、何かを自由に生みだす方が楽しかったです。学校を卒業してから、最初大工ではない違う道に進みましたが、身近に使う簡単な家具をこちらも見よう見まねで、作図して作りました。今でも家で使っています。

 

 

物つくりは作る前からの作業からとても楽しいですね。
目的や使い勝手にあわせて、大きさやデザイン、パズルのようにどんな風に作っていくのかを頭の中でシミュレーションする事も楽しいことです。
あまり考えても分からないことは、とりあえず作ってしまうこともあります。
また、実際に作る課程では、同じ物をいくつも正確に作るときは治具と言われる定木から作ったり、経験を踏まえた上で常識にとらわれない作り方を工夫したりするのも楽しさのひとつです。

 

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最近ではなかなか、現場で作業する機会が減ってしまっていますが、木工教室の試作品や、こどもの学校のボランティア活動で工作をする時の準備は私がしています。

つい先日も小学校の図書館で使う子供用の椅子をお父さん達で作ってもらえないかと依頼がありました。
私以外に大工はおらず、準備をすることになりました。

 

何十年と使い続けられる、きちんとした椅子ではありませんが、のこぎりと釘で出来るように作り方を工夫して、試しに1台作ってみました。
使う人をイメージしながら少しスケッチと違うものが出来ましたが、小学校3年生の息子には評判が良く、とても気に入ってくれました。

何もないところから始める物つくりは、作る前の楽しさ、作っている時の楽しさ、作った後の楽しさと楽しさが3度味わえます。やっぱり物つくりは楽しいですね。

(佐藤 正志)