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日常のこと

想像力を引きだすもの

こどもが、懐かしい本を学校の図書室から借りてきました。
初版が1977年の「学研の図鑑」シリーズです。
植物、動物、生き物をはじめとして、地球や宇宙などの自然科学から、機械や乗り物や自動車などの仕組みまで、こどもでも分かりやすく図解にして解説した本です。

 

 

子供の頃、まだ実現していなかったスペースシャトルや、宇宙で長い間暮らすことの出来る宇宙ステーションが描かれたイラストを見て、ワクワクしたことを思い出しました。

挿絵に使われているものは、実際に存在しているものでも、写真ではなく色彩豊かなイラストを多用したものでした。

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事実をありのままに伝えるには、きちっと書かれた図面や写真の方が相手に正確に伝えることが出来ます。
しかし、手書きのイラストには曖昧なところがあって、それがかえって、自分なりの解釈で想像力が掻き立てられ、記憶に強くインプットされていたように思います。
細かく描かれていなくとも、書き手の描く線の太さ細さ、色の濃淡でその思いが相手に伝わるのでしょう。

 

 

何もないところからひとつのものを造ってゆく過程において、最初から出来上がりがはっきりイメージできて進めることは少ないでしょう。
検討を重ねながら、その時々でアイデアを盛り込み、頭の中に描いたイメージを具体的にしてゆきます。
想像力を引きだすにはスケッチやイラストが欠かせません。

 

 

私の好きな本の中に「絵でひく英和大図鑑 ワーズ・ワード」があります。
イラストを見ながら英単語がひける本ですが、辞典というよりは、成り立ちや仕組みがイラストで分かりやすく描かれている図鑑です。
物事の成り立ちには、純粋に好奇心を刺激されます。
住まいづくりとは直接関係ありませんが、このワーズ・ワードのイラストには、創作のヒントが隠れています。

 

 

住まいの価値観や求めているものをお客さまと共有することにも、イラストやスケッチは大切だと思っています。

 

 

(佐藤 正志)