第12話 ~ 和の食と薬味と器と、梅雨どき。
昔ながらの知恵を意識して、日本の食を愉しむヒントになればと思い書いてみました。
わさび 好きですか、
しその葉 好きですか?
もちろん、人によって好みもありますが、
わさびって、ピリッと刺激がいいですね。
しその葉って、苦みや香りにはさわやかさもあっていいですね。
これらは、
薬味といい、一般的には主食の添えもの・脇役って位置づけです。
薬味?
薬って付くからには、食べ物としての栄養だけでなく、「その効能」もあります。
わさびは、
シャリとネタの間に隠れているけれど、“ツン”とすました存在感があります。
日本特有のお寿司といった生ものを食べる時は、気温や湿度が上がるこの梅雨時からは、特に食中毒に気を付けるようになります。
実は、わさびのこの“ツン”に殺菌・抗菌効果があると聞きますね。
・・・お子さまには “さび抜き” なんて言いますが、本当はお子さまにこそ入れておいてあげたいですね
(+_+)。
しその葉は、
彩り効果を出しつつお刺身の下に敷かれていたり、おにぎりの海苔の代わりにしその葉が巻かれていることもあります。やはりしその葉にも殺菌・抗菌の効果があるからです。
薬味と云われるゆえんです。
ということは、
しその葉がプリントされたビニールがお刺身の下にあったり、葉っぱのカタチに切られた緑色のビニールがお弁当の仕切りに使われていることもありますが、それに抗菌作用を期待するのはお門違いですね。では何の為に・・・。
ここでちょっと住まいの話を(ムリに!)入れ込むと、
本物そっくりな木目がプリントされている床材・建材などに、木の持つやさしさや癒しを期待するのは、これまたお門違い・・・かな。
では最後のおまけに、ご飯を入れておく、まげわっぱ(おひつ)のお話し。
炊いたご飯を、杉や桧などの木でつくられたそれに移しておくのもいいですよ。程よく湿気を逃がしてくれるのでおいしさ長持ちです。これまた、それらが持つ抗菌作用も期待できるんです。
加えてほのかに木の香りが移った「冷や飯」、あえて好む方もいらっしゃるのではないでしょうか・・・。「まげわっぱの冷や飯」、個人的には好んでます。
日本の食べ物と薬味と器、知恵や風情をもって梅雨時を愉しんでいきたいですね、という「和の食」にまつわるお話しでした。
(安間 稔
)