さしがねの知恵

さしがねとは、大工さんの三種の神器ともいえる道具のひとつで、
L字型のシンプルなこの定規が、
実は知恵の塊なのです。

このコラム集は、そんな大工さんのさしがねにちなんで、
昔ながらの知恵や工夫を、今の暮らしに生かそうというコーナーです。

四季を感じることのできる暮らしや、
多少手間はかかるけれど
豊かな暮らしとは何か?というコラムや、
それ以外にもちょっとした住まいのお手入れ方法などもご紹介していきます。

第13話 ~ この夏を少しでも快適に過ごすには?

年々、暑くなる夏にくわえ、今年はより節電にも協力しないといけませんね。

とは言うものの、なるべく快適に過ごしたいと思うもの。

家庭で出来る、少しでも夏を快適に過ごす工夫を紹介してみます。

 

そもそも、なぜ家が暑くなるかと言いますと、あたり前のことですが、外の気温が高いからです。

では、エアコンに頼らず涼しくさせる為には...

 

まず第一に、外の熱を室内に入れないことです。真夏の窓から入る日射で温められた空気は熱の塊です。一旦室内で熱くなった空気はなかなか涼しくならないものです。ならば、日射で熱くなっていない空気を取り入れたいところですね。

 

日差しを遮るというとカーテンやブラインドを思い浮かべますが、室内側で日差しを遮っても、窓近くの空気は熱せられてしまいます。

 

実は、窓の外側に日陰を作って、室内に熱が入るのを防ぐことの方が効果的です。ホームセンターに行くと、葦を麻紐で編んだ「よしず」や「すだれ」が売っています。窓の外側に立て掛けたり、庇から吊るすことで、いくらかは涼しくなった風を取り入れられますよ。

 

 

 

また、日が落ちてからの涼しい外気と室内の熱い空気を入れ替えるのも手です。

扇風機をベランダや濡れ縁など外に置いて、家の中に向けてかけると、より涼しい外の空気が入ってきます。

余談ですが、扇風機の消費電力はエアコンの10分の1ほどです。

風速1メートルの風をおこすと体感温度は1℃涼しく感じるそうです。

 

機械に頼るばかりではなく、風鈴や金魚鉢、団扇なんていうのも良いですね。暑さ寒さも、脳が感じること。 頭を涼しいと錯覚させると、一番涼しいかも?

(佐藤 正志